2005年04月23日

「竜馬がゆく」司馬遼太郎

人は三度生まれ変わる。(変われる可能性をもつ)。作者は幕末に現れた短い人生の若者を通じてこんなことを言いたかったのだろうか。竜馬は子供の頃泣き虫で、さらに先生にも見放される程物覚えが悪かった。そんな竜馬が剣術を習わされ、免許皆伝をもらい江戸の北辰一刀流の門をくぐる所から物語は急速に展開していく。
作者は竜馬の人間観、人生観、仕事観、女性観などをふんだんに盛り込み、「名著は何度読んでも新しい気づきがある」と私は思った。
幕末の不安定な世情とそこでの竜馬という人間の行動を描く中で、この本は、読み手に多くのを気づかせてくれる。読み終えたとき、「ああ、この人に会いたい」と本気で思ってしまうのは、私だけではないだろう。繰り返し楽しめる本である。


着眼点大事を成す者の思考と行動+α 全てはこの一点に向け作者は語っている。一般的に改革者の成功条件として、優れたビジョン、戦略、情勢判断の的確性、それに基づく指示の与え方等をあげるビジネス書は数多い。しかし、人が強く人の心を掴むのは、理論、理屈の先にあるものが根底になくてはいけない。その中味は意外であり、なるほどそうかと思う。それは一体何なのか。

読後の収穫流れを味方につける「潮」頃合い、時機
竜馬は、時勢を意識して行動する。一見愚鈍、緩慢な姿勢に非難が飛び交う。しかし、ここぞという時機に焦点を当て力を集約させる。「俺のは奇策家ではない。俺は着実に物事を築き上げてゆく。現実に合わぬことはやらぬ。それだけだ。それをなぜ人は奇策家とみるかわからん。」と。
 
常識を、疑う中に種がある 竜馬自身の最大の特徴は、独自性、独創性である。古来多くの人が伝統やしきたりを重んじる中で、「人の事跡を慕ひ
人の真似をすることなかれ」と竜馬自身が言う。事を成すにあたってやり方は一つだけではない。さらに「世の既成概念を破るというのが真の仕事というものである」と。この言葉に触れるだけでも多くのビジネスマンに勇気と決断をくれると信じる。

世に絶望はない
「世に生を得るは事を成すにあり」、、事を成すまで死ぬなと解釈
事業家(事を成すことを生業と定めたもの)には、苦難が付きまとう。天才的竜馬でさえ計算外は起きる。潔さが美学という価値観の中で、竜馬は命の重さを叫ぶ。死ぬという美学より、苦難を闊歩する勇気を持てと。世の中、即自分の力で簡単に出来ることは自分の命を絶つこと。時に人はこの耽美な誘惑に飲み込まれる。
己の命を使果すべき所を見誤るなと。



後記
のめり込む小説である。幕末の不安と過度期を、竜馬という一見のんき者の振る舞いに心を掴まれる。読むきっかけは、先輩で「健路さん」という人がいて、「人を建てる路と書いて健路といいます。」という自己紹介が初めの出会いです。その先輩が「竜馬がゆく」の竜馬のようにありたい。といっていたのが読もうというきっかけです。しかし、全8巻という長編で一度に買えば結構な値段になります。古本屋で偶然見つけ、購入した。しかし、積読状態で3年でした。ふと読んでみるかと初めは挫折した。30を過ぎてまた手に取る。面白い、面白い。結局3回も読んでいた。この本はそんな本です。しばらくしたらまた読みたいです。司馬さんありがとう。

今回ご紹介させて頂いた本
竜馬がゆく〈1〉


坂本竜馬さんに関する本


坂本竜馬さんに関するのDVDです

posted by 商いの道 at 09:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史小説に学ぶ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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