2005年04月23日

「太公望」宮城谷昌光 



表裏の法則を体得した漂流者。始まりは復讐、、しかし、、、
 中国の歴史を扱った小説です。主人公は、商(殷)人に両親を殺害され、同族の孤児とともに旅を続け、商に対し苛烈な執怨を抱く。やがてその思いは商王朝を倒すという明確な目的として誓われ、実現された。
 革命児として時代と大地と出会う人物を望は震撼させる。その意味では幕末日本の坂本竜馬と私は重なる。望は、亡き父の遺言を支えに目的地に子供達を連れて旅をする。そして旅の過程で望自身の気付き、人物との観言のやり取りは、ほとばしる作者のメッセージとして深遠な部分に誘われる。事を興す者の気構えとして本書を読めば活字には書かれていないものも読み取れるのではないか。

着眼点
旅は人を育む 
旅は必要最小限の荷物で移動を重ねる。暮らしの余分なものが取り払われある種の剥き身な状態にさらされる。その分、知覚が増す。「生死の境をさまよいながら生を掴むという体験をしなければ、心胆はすわらない」と。そんな状態の主人公の聴いたことや、気付いたことは鋭敏な示唆をもっていて、時に目が見開かれるような感覚を与えてくれる。

読後の収穫
言葉に命あり
 言葉は聴いたものの心に命として宿る。時にその人個人の命を守り、育てる。日ごろの言動の影響を意識しての行動は難しいが、これもまた道理である。

人は開花する
「素直さ」ありのままで癖がないこと
 歪んだ心は真実を歪めてしまう。「まっすぐにものごとを見れないひとは、どこかで成長が止まってしまう」と指摘する。こどもが瞬く間に物事を吸収し、成長していくのは素直さがあるからでしょう。辛い経験をもつ主人公は人との交わりの中で自分を一つ一つ開花させていく。

森羅万象言葉あり
 先の先への配慮
 複雑系という学問が10年程前クローズアップされた。世界は有機的に関係した仕組みの
中で動いている。
posted by 商いの道 at 10:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史小説に学ぶ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。