2005年04月25日

「孟嘗君」宮城谷昌光

中国の歴史小説です。物語は、三分の二が風洪(後の白圭)を中心に描かれている。残り三分の一を田文(後の孟嘗君)が活躍する構成です。何故?風洪?なぜなら、田文の命を救うばかりでなく、田文の生き方に大きな影響を与えた人物だからと解釈しています。風洪は侠があり、人の為に何度も命を投じる。
各場面場面の風洪の心境は、窮地の読者の生き方に勇気と決断を与えてくれるのではないのでしょうか!剣士として凄腕な風洪が何故か商いの道を志す。「義を買い、仁を売る。利は人に与えるものだ」と。
 田文は風洪のもとで、人間としての素地を磨いてゆく。その魅力は人才を引き寄せる。田文は裏切りの日常の戦国時代で約束「信」を守ることで、その影響力を高めていく。「人の運命は複雑さをともなっているようにみえるが、単純なものだ。平凡であるとさえいえる。その平凡を全身で受け容れる者こそ非凡といえる。」と。

着眼点
大道を進む勇気と幸せ
人は誰もが幸福を望む。そして自分の人生にその個性をより反映させたいと願う。しかしそのしかるべ き道筋を選んで進むことは容易なことではない。本著に「人は生まれつき均しくない。それがわかっていながら、平等感を欲している。ところが、人は平等でありたいと思いつつ、自分だけは特別である、とおもっている」
世の中は自分だけが存在しているわけではない。この本は人が社会に携わる事は如何なる事かを歴史を借りて投げかけている。

読後の収穫 
情けは人の為ならず
人を助けることで自分も助かる。世の中は広いようで狭く、循環の網が張り巡らされている。長い時間をかけて廻る
座らない学問  
「両目両耳を使え」(内観外観、外聴内聴)
起きている間に起きることは全て学べる。外の変化を耳目し、同時に生身の心に起こる変化にも耳目を傾ければ日々学ぶことが出来る。
与えることは得ること
「財は人に積む」
財を物で形創れば、天災に遭えば弱い。しかし人に財を尽くせば、その恩恵を慕い協力して再び事業を再開できる。
奇跡はすでに準備されている
「良行の積重ね」
人は知らず知らず人の心に足跡を残している。そしてつながりをもっている。信じられない悪事・良事も過去の行い次第なのだ。

今回ご紹介させて頂いた本孟嘗君〈1〉

宮城谷昌光さんの本
posted by 商いの道 at 19:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史小説に学ぶ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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