2005年05月14日

「ウケル技術」 小林昌平・水野敬也・山本周嗣

大変珍しい本である。その意味で貴重と私は考えています。昔アマゾンでベストセラーにランキングされたのもうなずける。私自身「お笑い」には少しうるさいほうです。
本作品の優れたところは、「意図的に笑わせる」という言わば無形の暗黙知を形式知化した初の試みにある。また、才能や感性といったことで処理されてきた分野を論理と具体例でイメージ化を明確にしている点です。説明文もさることながら、図解説明が織り込まれているのには驚かされました。賛否両論ある作品かもしれませんが。手にして悪くない本です。

着眼点
「笑いとは、相手の知的感性の快感にコミュニケート(伝導)すること」
ビジネスで、どんなに相手と親しくなっても、状況により心理的壁や溝に阻まれることがある。その向こうの本音に近づけるか否かで成否が分かれることもある。営業の言葉でいえば、「相手の懐に飛び込む」とも言えます。笑いは、心が開放状態なのでそうした情報も得やすい。あるセールスマンが「笑わせたら勝ち」といっていた事を思い出す。

読後の収穫

「愛情を笑いで表現する」
人の笑顔は素晴らしい。心惹かれる人の笑顔はなおさらだ。司馬遼太郎さんは小説の中で、どこで、どのように人が笑うかで、その人の人格と知性がわかるという表現を時折書いている。

「笑いには知的冒険が隠されている」
よくネタを仕込む、ネタつくりという事を聞きますが、そこには、独創性が必要です。つまりアイデア。そのアイデアでどのように枠組みを創るのか、発想の拠点が垣間見られます。

「傷付く事を恐れず前へ」
いわゆる場が冷める。引く...。そんな失敗を重ねながら、「自分なりの笑い」をブラッシュアップしていく。何事も磨きが必要なんですね。

後記
著者が「笑いという強力なツールをもって相手に積極的に食い込もうとする立場で書いている」という通りその姿勢が作品から感じられました。「何故笑うのか?」というメカニズムを作者が論理展開し、さらにすべてのパターンに具体的にネタを示している。私はこの笑いという捉えどころの無いものに優れたメスを初めに入れた作者に脱帽です。
また余談ですが、問題に対しどのように処理し、相手にプレゼンしていくのかという事を学ぶ上でも本書の基本構成、文章展開、要素分解等の技術は優れています。

今回ご紹介させて頂いた本

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